合作を主催する前に
こんにちは 芋タルトです
そこのあなた
「あ~私も音MAD合作を主催したい!」
今そう考えていますね
しかし、合作主催は一筋縄ではいきません
いざこざ、主催失踪、企画倒れの話も未だ耳にします
楽しむための合作が苦い思い出になっては元も子もありません
本記事は「合作主催で失敗しないために意識すべきこと」
また「合作をより良いものにする方法」について書きます
主催だけでなく、参加すべき合作を見極める判断にも役立つかもしれません
この記事がこれから合作に携わる皆様の助けになれば幸いです
最低限意識してほしい!合作主催の掟10選
①タスクと責任を事前確認しよう
一番ありがちな失敗が「ここまで大変とは思わなかった!」という見込みの甘さによるもの。
主催と参加者を同列に考えているかもしれませんが、主催の責任は遥かに大きいです。
運営タスクの一例を書き下すと、
・進捗管理、スケジューリング
・参加者への連絡
・非常時の対応、サポート
・パート決め
・タイトル考案
・サムネイル考案
・音声まとめ、映像まとめの管理
・投稿作業(投稿説明文、参加者マイリストの作成など)
・SNSでのPR
・(場合によって)メドレー制作への意見出し
・(場合によって)ロゴ制作のアイデア出し、連絡
・(場合によって)各パートへのディレクション
・(場合によって)主催自身の制作
このように非常に大変なものなのです。
充分に余裕を持てる体制を整えるか、相応の覚悟を持たねばなりません。
②不要なプライドは捨てよう
先述のタスクを全て一人で抱え込んでしまい潰れてしまう…というパターンも何度も聞きます。
「他人を頼れる」のも主催に必要な資質です。土壇場で手遅れにならないためにも、前もって周囲を頼りタスクを分散しましょう。
一番手っ取り早いのが「運営を複数人体制にする」ことです。詳細は後述します。
③進捗管理は怠らずに!
合作運営の肝はスケジュール管理。
締切当日に殆どのパートが未提出…そんな事態では流石に手の施しようがありません。
そうならないために、締切日以外にもこまめな「進捗確認の日」を設定しましょう。進捗次第では迅速にサポートに回る判断も必要です。
頻繁な進捗アップロードは参加者への刺激にも繋がります。合作全体の活性剤としても効果的。
またこちらの「3週間ルール」で進行する合作も最近よく見ます。合理的でオススメです
④締切設定はゆとりを持とう
提出締切日を投稿ギリギリに設定してしまい、非常事態で投稿が遅れる…というのもありがちなミスです。
個人的には、音声締切は投稿1ヵ月前~1週間前、映像締切は投稿2週間前~5日前程度が良いかと思っています(合作の内容にもよりますが)。
正直な話、残念ながら大抵の合作は遅刻者が出ます。それを見越したスケジュールを組みましょう。
特に可能なら音声締切と映像締切は離れているのが望ましいです(映像制作に余裕を持ってもらうため、また音声まとめに時間がかかるため)。
⑤合作概要は明確に
現在「Googleスプレッドシートによる合作概要説明」が主流です。
・合作の目的や方向性
・使用素材の制限、その他禁止事項
・音声、映像のフォーマット指定
・締切、進捗確認日、投稿予定日
は最低限盛り込みましょう。
「制限を明示するのって参加者を信じてないってことじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、決してそうではありません。
むしろ「問題のあるパートにより合作全体が崩れる」というリスクを事前に減らせる、参加者の信頼を高めるものなのです。「何となく伝わるだろう」という態度ではなく、最低限のラインは明示した方が後々トラブルになりにくいです。
それと、招待用のスプレッドシートと参加者用のスプレッドシートは分けた方が良い(特に提出用のGoogleドライブフォルダを作る場合は招待用に載せない方が良い)と思います。情報漏洩のリスクを低減するためです。
ちなみにスプレッドシートは
「合作概要」「パート表」「参加者一覧」のタブ構成が一般的です。
⑥信頼できる立ち振る舞いを
無償で進行する以上、合作は「信頼」の一点で成り立つもの。それを損なわないよう立ち振る舞う必要があります。
・連絡が出来ない期間がある場合は事前に通達する
・緊急事態で予定変更が起こりそうな場合、対応の前にまず参加者へ報告する
・そのほかの何事も事後報告にならないようにする
・SNSで合作の裏事情や機密事項を軽率に発信しない
など、頼れる主催者の像を作りましょう。その信頼はやる気に繋がり、合作のクオリティにも作用します。
⑦主催担当パートは迅速に確実に
「主催もパート担当を務める」ことが殆どな現状。その影響は良い方にも悪い方にも大きいです。
余程納得できる事情がない限り、進捗を管理する人間が遅刻しては示しがつきません。状況によっては進捗管理を別の方に一任するか、そもそもパートを担当しないという選択も大事です。
(ちなみに私は『ダメよ~世界なんて』の自分のパートで遅刻しています。そもそも締切がある程度ゆとりを持たせていたこと、進捗管理を事前に副主催に一任していたこと、クオリティ追究のための遅刻であり進捗も頻繁に公開していたこと、これらでリスクヘッジは出来ていましたが、やはり体裁を保つうえでマイナスではあったと反省しています。皆は締切守ろう。)
逆に早めに良いものを出せばそれが刺激になります。全体の制作スピードや質の上昇にも繋がるので、余裕があれば率先した制作を行いましょう。
⑧平等公平な対応を心がけよう
些細な不満は合作の瓦解に繋がります。主催は参加者に個別で対応する機会も多いですが、「一方には丁寧で一方には雑」といった態度を取っては参加者のやる気を大きく削いでしまいます。
言葉遣い・文量・対応スピードなど、なるべく平等に丁寧な対応をするよう心がけましょう。参加者のモチベーション維持も主催の義務です。
⑨主催がいなくなっても大丈夫な体制を!
主催も普通に生活している訳ですし、事故や病気の危険だってあります。もし運営業務が不可能になった場合に備え、予め手を打っておくことが重要です。
一番は信頼できる人に待機してもらうこと。その際は「一週間連絡がなかったら運営を交替する」という風に、具体的な安否確認と対応が出来るようにしておくと動きやすいです。またこの意味でも「運営を複数人体制にする」ことは効果的です(後述)。
常に最悪の事態に備えましょう。
⑩主催「しない」判断も必要
これまで書いたことを「当たり前のことしか書いてないじゃん。何言ってんの?」と思ったあなた。主催に適格です。
逆に「俺には無理かも…」と思ったあなたは一度考え直してみて下さい。
合作主催は他人を巻き込むもの。降りかかる責任が大きい分、失敗したときの反感も大きいです。失踪してバツが悪くなり、そのままフェードアウト…という事例も実際にあります。
人間の性格というのは一朝一夕では変えられません。どちらが良い悪いという訳ではありませんが、単純に主催に向いている人間と向いていない人間がいるのです。
自分を後者と感じた方は主催を「しない」選択肢を持ちましょう。
あるいは「信頼できる人に主催を任せて自分はサポートに回る」のもアリかもしれません。合作を立ち上げる方法は一つではありません、広い選択肢を持ちましょう。
以上、「合作主催をやるなら最低限意識してほしいこと」でした。これらを意識・実行すればリスクヘッジは充分。大きなトラブルなく進行できると思います。
そして余裕がある方は、次に書く「合作を更に良くする方法」を是非実践してみて下さい。ただし持論の比率が高くなるので鵜吞みにしすぎないよう。
合作をワンステップ上に!合作主催の方法10選
①フィードバックは積極的に
進捗や完成品が出されたら積極的に感想を伝えましょう!
「参加してよかったな」「この人の合作ならまた参加したいな」と思ってくれるかもしれません。また「直接反応が貰えるのが確定している」という状況は他の参加者のモチベーションにも繋がります。結果積極的な提出を促せるので、運営にも参加者にも嬉しいwin-winな状態が作れます。
先述の「平等公平」も必要なので中々大変ですが、その分喜んでもらえると思います。(というかそう信じて送っています)
事務的な確認文言ではなく、あなたの想いを伝えてみて下さい。
②スターター配布で取り組みやすい環境を
「作業を始めやすい環境」があればモチベーションも変わってきます。
特定素材の合作であればスターターを配布しましょう。参加者がパート制作に注力できます。
更に素材の解説や使用された動画の例がシートにまとめてあれば参加者もイメージしやすいです。とにかく制作のハードルを下げることを目標にしましょう。
③運営体制の個人的見解
運営体制については特に様々な意見があると思います。勿論ケースバイケースでありそれぞれの功罪もあるのですが、個人的には「複数人で運営する」のがベターだと思います。
ただ複数人であれば何でもいい、という訳ではありません。
まず運営メンバーが連絡が取りやすく、話しやすく、信頼できる人であること。特に運営経験豊富な人が近くにいると大変頼もしいです。意見を円滑に交換できる間柄、つまり仲良くしてる方だとなお良しですね。
次に主催がきちんと仕事を振ること。主催が最高権威である以上、運営メンバーは能動的に動きづらいです。やることを明確にし、迷いなく動ける状態にしましょう。
そして運営の各々にある程度判断を委ねること。逐一主催に許可を取っていては却って二度手間になってしまいます。任せられる部分は自己判断をお願いしましょう。
④作業通話は効果大!
現在、合作の殆どはDiscordサーバー内で行われます。そこに作業通話用のボイスチャンネルを作っておきましょう。
可能なら積極的に通話を募集するとより良いです。合作全体の雰囲気がほぐれ、素材や技術の不足を補い合えたり、意見が出しやすい環境を作れたりします。
仮に誰も来なくても大丈夫。「主催がちゃんと動いている」ことの証明になり、参加者に刺激と信頼を与えることが出来ます。
⑤言葉遣いは印象を変える
些細な違いかもしれませんが、言葉遣いが与える印象の差は大きいです。
私は文末に「!」を付けたり
重要連絡以外はくだけた物言いをしたりしていました。
語彙力ないだけでは
経験的には、硬い雰囲気の合作よりも楽しげな合作の方が提出も円滑な気がします。
勿論ある程度の威厳も必要なので道化になれとまでは言いませんが、接しやすい主催像を作るのもアリだと思います。
何より主催自身が楽しめます。好きに喋りましょう。
⑥合作の方向性を練ろう
次は内容的な話です。
高い評価を得る合作は往々にして方向性が明確という特徴を持っています。
例えば自分が参加したものだと、
マツオカ令和応援曲2020は「新時代」というテーマのもと、最新の楽曲をバランスよく取り入れています。
またotoM@D-cinderella.girlsはアイドルが入れ替わって登場する、一続きのライブステージを連想させる構成になっています。
・何をコンセプトとした合作か
・どの視聴者層を狙うか
・そのためにどういった構成にするか
これらが明確に打ち出されていると参加者も主旨に沿ったものを提出しやすいです。
単に楽しむだけなら自由な合作でも良いと思いますが、より完成度の高いものを目指すなら明確な方向性を持ちましょう。
それに関連して、運営がどの程度提出物に口出しするかは予め明確であった方が良いと思います。
「全く口出ししません」というスタンスならそれでいいですが、「コンセプトを重視するため修正をお願いする場合がある」なら前もって言っておけると公平性が増します。
またその場合基準が明確である方が納得しやすい上、運営側もディレクションしやすいと思います。
あと修正をお願いする場合はきちんと話し合う場があるとまとまりやすいです。
…これ中々難しいですけどね!
ちなみに僕が参加した中で一番カッチリとディレクションしてたのはOTOMAD TRIBUTEです。
それともう一つ、修正をお願いする場合でも何かしら賞賛してからの方が円滑に行くと思います!
⑦呼びたい人を決めよう
勿論、合作は運営だけで成立しているわけではありません。
招待制合作の場合に限りますが「誰に声をかけるか」も大事になってきます。
・提出に信頼のある方
・一定のクオリティを担保してくれる手腕の方
特に大変ありがたいのが
・率先して良質な動画を提出してくれる方
・合作全体の雰囲気を柔らかくしてくれる方
・積極的に的確な意見を出してくれる方
こうした方々を呼べるとより充実した合作になります。
「どうやってそういうの知るの?」ってことですが、この辺の前情報は色んな合作に参加したり他の人の話を聞いたりして得られます。事前の情報収集も合作を大きく動かします!
一方で「この人合作参加してる印象ないけど声かけてみたい!」という例もあります。そういう人と信頼できる人とでバランスを取って有事にリカバリーしやすい体制を作るのも手ですね。あるいは仲の良い人で固めたり世代を意識したりと様々ありますが、どんな形であれ声をかける人を誠実に考えることも重要です。
⑧サーバーは常に動かそう
合作参加あるあるとして「参加したときは気持ちが乗ってたけど締切付近になるとモチベがダレている」という声をよく聞きます。[招集~締切]の期間が長い合作の場合特に起こりやすいですね。
モチベーションは一度下がるとなかなか上がりづらいのです。
そこで、ブランク期間でも何かしらアクションを起こすと持続すると思います。
・選曲やメドレー制作段階でも活発な意見交換の場を設ける
・タイトル案を募集する、あるいは通話で話し合う
等、「参加している」という気分を定期的に味わえる環境を作ると良いでしょう。
⑨告知動画を作ろう
長期・大規模合作であれば告知動画を作るのも手だと思います。
告知が本編の再生数その他にどれほど貢献しているかは正直分かりませんが、一つ確実なメリットがあります。
それは「参加者に発破をかけられる」ということ。
⑧とも関連していますが、ブランク期間にモチベーションを低下させない一つの大きな手段です。
OTOMAD TRIBUTEやダメ万合作の告知は実際にその狙いがありました。
この目的であれば「ある程度力の入った動画」であるとより刺激になります。
話題性確保という意味では下のような例で攻めるのも手ですね。
告知もオリジナリティを出す一つの手段。色々考えてみても楽しいと思います。
⑩実績が次に繋がる
いきなりデッカイ合作をやろうとしないこと!
まずは小規模の合作から始めて感触を掴んでいくのがオススメです。あるいは「運営手伝い」の枠でも良いかもしれませんね。リスクも少ないですし。
実績があれば「この主催なら安心」と参加してくれる人も増えるはず。コツコツやっていきましょう。
……ハイ。以上です。
なんかビジネス書みたいになっちゃいましたね。
勿論この記事に書いてあることが全てではありませんし、必ずしも正しいとは限りません。
合作の形態・規模・期間は様々。故にケースバイケースな側面が強いです。
結局は自分の力でより良い合作のカタチを探す姿勢が一番重要だと思います。
他の意見や事例も取り入れたうえで、自分なりのやり方を模索してみてほしいです!
では、良き合作ライフを!
<<自己紹介>>
こいつ偉そうに何言ってんねんとならないために自己紹介しておきます!
芋タルトと申します
過去に「ダメよ~万引きなんて」を素材にした合作を主催しました
特に2021年の合作では80人超の制作者にお声掛けし、4本の合作を同時進行・完遂しました
詳細は別記事で説明しています こちらも是非
合作は基本締切の1ヵ月以上前に出します 夏休みの宿題は早めに終わらせる派です
本記事の内容は私自身の経験によるものです 実践して功を奏したこと、失敗から学んだこと、他の人の運営方法を見て学んだこと、これらを基にしています